【賃貸オーナー様必見】遺産分割がまとまらない!?相続発生時のリスクと管理対策
「事実は小説よりも奇なり」——今回は、私たちが実際の不動産管理の実務で経験したお話をもとに、賃貸住宅のオーナー様に「もしもの事」が起こった際のリスクと、その対策についてお伝えします。
実は、生前から相続対策をしていない賃貸オーナー様は意外と多くいらっしゃいます。もし対策をしていない状態で相続が発生し、遺産分割協議がまとまらない(相続人が決定しない)場合、賃貸経営には大きな支障をきたしてしまいます。
遺産分割協議が長引くことの「経営リスク」
遺産分割協議が成立していない期間は、相続登記や家賃受取口座の変更、各種契約の変更などにおいて「相続人全員の同意」が必要になります。
賃貸経営では、毎月の家賃管理、入退去の手続き、不具合の修繕や原状回復工事など、迅速な対応が求められる業務が頻繁に発生します。その都度、相続人全員から同意を取り付けることは、時間と労力の面で現実的ではありません。
協議がまとまらない場合の「一時的な対策」
私たちの実務では、遺産分割協議が長引きそうな場合、まずは「相続人代表者」を決めていただくようお願いしています。
手続きは口頭ではなく、相続人全員の合意書として、相続人代表届(合意書)を相続人全員からもらうようにしています。これにより、代表者が一時的に家賃を受け取るなどの管理業務を進めることが可能です。ただし、代表者が家賃を独占できるわけではなく、各相続人には法定相続分に応じた権利があるため、送金時には「送金口座変更の覚書」等を取り交わし、慎重な確認を行っています。
遺産分割協議成立後にやるべき7つの手続き
無事に協議が終わり、新たなオーナー様(相続人)が決定した後も、以下の手続きを速やかに行う必要があります。
- 相続登記
- 法務局で名義変更を行います(※令和6年4月1日より相続登記が義務化されました。ご不安な方は司法書士の手配等もご相談可能です)。
- 管理受託契約の再締結
- 委任契約は原則として死亡により終了するため、新オーナー様と不動産会社で新たに契約を結び直します。
- 火災保険等の名義変更
- 万が一の事故時に保険金が受け取れるよう、忘れずに新所有者へ名義変更を行います。
- 家賃受取口座の変更
- 故人名義の口座は凍結リスクがあるため、早急に変更手続きと入居者への振込先変更通知を行います。
- 入居者への通知
- 所有者が変更になった旨と、新しい連絡先・振込先を通知します。
- 所得税の準確定申告
- 被相続人が亡くなった日までの所得について、相続を知った日の翌日から「4ヶ月以内」に申告が必要です。
- 相続税の申告
- 賃貸住宅を相続した場合、一般的に申告が必要となります(相続を知った日の翌日から「10ヶ月以内」)。
おわりに
長期間にわたり遺産分割協議がまとまらず、大切な資産の運用がストップしてしまうことのないよう、生前からご家族で将来を見据えた対策を取っておくことが何よりも重要です。
ありすと不動産では、新たなオーナー様の業務支援はもちろん、相続を見据えた事前のご相談にも力を入れています。賃貸経営と相続に関するご不安がありましたら、ぜひお気軽にご相談くださいませ。
